コンポストで生ごみを肥料に変える。
ゴミの概念をなくして資源として生かし、美味しい野菜も育つ素晴らしきコンポスト。
しかし、作ったたい肥が未熟な状態であるとうまく野菜は育たなかったり、いろんな問題が起きたります。我が家では、コンポストで発酵・分解させた後も半年~1年はそのまま寝かせます。
未熟なたい肥を入れるのは良くないことは、野菜を育てていると感覚的に分かってくるかと思います。
今回の記事は未熟たい肥と完熟たい肥の見分け方や、未熟たい肥で生じうる問題などにつ
いてまとめてみました。
未熟たい肥が良くない理由
コンポストは生ごみや枯草、落ち葉、場合によっては家畜のふんや米ぬかなどあらゆる有機物によって作れらます。
まず、完熟たい肥とは『たい肥の原料である有機物を微生物が食べつくしたもの』です。
未熟たい肥とは『微生物の食べ残しがまだたくさん残っているもの』であると言えます。
未熟たい肥を土に入れると、土の中に存在する微生物によって分解されることになります。
まず起こりうるのが『腐敗』です。未熟な土は異臭がしたりハエが湧いたりと、腐敗の兆候を感じることが出来ます。ホームセンターなどで『完熟』と謳っているたい肥でもこのようなことがよく起こりますので注意が必要なのです。
完熟たい肥は腐敗することはありません。未熟なたい肥はまだ生ごみのカスが残っている状態で、このまま土に入れた場合は土の中の微生物がさらに分解していきます。
このとき発生するガスが植物の生長を妨げたり、病原菌が繁殖したり、植物の発芽が抑制されたり、いろんな問題が起きます。
経験上、未熟なたい肥を入れると野菜がうまく育たず、病気や虫にやられる可能性が本当に大きくなります。私たちは市販の完熟たい肥であってもすぐに使わず袋の口を開けて数日様子を見ます。嫌な感じの虫の湧き方を見たら、使わないです。
やむを得ず未熟なたい肥を使う場合、土と混ぜて1~2ヶ月はそのままにしておくことをお勧めします。すぐに植えつけるのは良くないです。
自宅裏庭の省スペースで野菜を育てている私たちにとって、病気と虫がまん延してしまうとかなりのダメージです。土は完熟で、肥料分は最小限にすることが虫・病気対策として一番重要です。
『完熟』を見分ける
まず、色を見る
完熟を見分けるうえでまず見るのが『土の色』です。
完熟したたい肥は黒色になっています。(ちなみに嫌気性発酵の場合は赤っぽい黒)
有機物の固まり(例えば枝など)が残っている場合は、割って中を見てみましょう。生っぽい色では未熟で、黒っぽい色であれば完熟している可能性が高いです。
匂ったり、触ったりする
次は匂いをかいでみましょう。完熟している場合の匂いを表現すると、『土っぽくて、ちょっとカビっぽくて、わずかに甘酸っぱい匂い』がします。※甘酸っぱい匂いは我が家特有かもしれません。
要は『土だな~』と感じる匂いですね。これらは、糸状菌や放線菌、乳酸菌などが発する匂いです。嫌な臭いがしません。
未熟な場合、嫌な臭いがします。これはアンモニアの臭いや腐った食材のような臭いがします。
また、触ってみることも大切です。完熟たい肥の触感を表現すると、『しっとり柔らか』です。ちくちくするような硬さのものが残っていません。
その他の判断基準
五感以外にも判断材料になることがあります。
生き物を見てみましょう。完熟してしばらく置いておくとミミズが寄ってきます。また、雑草やキノコが生えたりします。また、野菜の種を蒔いてみて発芽するようなら安心です。
未熟な場合はハエがたかったり場合によってウジが湧いたり、直感的に『良くない』と思えることが起きます。
まとめ
今回は未熟たい肥と完熟たい肥についてまとめてみました。
見て、触って、嗅いで、を何度も繰り返して感覚で覚えていけたらいいですね。
さらに理解を深めたい人はぜひ発酵食にも取り組んでみると良いと思います。発酵食の仕組みや、味や香りを知ったうえでコンポストに取り組むとまた違った世界が見えてきます。
実に面白い!発酵の世界です。