発酵漬物と無発酵漬物

漬物

発酵食品に興味が湧いて、自分で漬物などを作り始めると色んな疑問が湧いてきます。

今回のテーマは【発酵漬物と無発酵漬物】の違いです。


私たちは『漬物』というジャンルを一括りで捉えていますが、発酵されているか、そうではないかで食品としては大きく違います。

発酵漬物は微生物によって旨みや栄養成分が増したもの。生きた微生物をそのまま体に取り込むことが出来るます。


無発酵漬物は、微生物は関わっておらず、漬けるもの(塩や醤油、味噌、酢など)によって風味が変化したものです。

『発酵していないからよくない』ということは決してなく、加熱しないため野菜本来のビタミンやミネラルをそのまま取り込むことが出来ます。



調べてみると、同じ漬物でも『発酵』と書いてあるものもあれば『無発酵』と書いてあるものもあり、混乱しやすいところです。


これを考えるうえで着目すべき点は『塩』『漬ける時間』です。


今回はこの違いを学び、幸せな漬物ライフを満喫できるようになりましょう。

発酵漬物

『発酵漬物』は、微生物による発酵で野菜の成分が変化したものを意味します。

発酵漬物には、基本的には『塩』が関わっています。

塩漬け塩に漬けたもの全般。キムチ、ザワークラウト、ピクルスなどもこの中に入る。
ぬか漬け米糠(こめぬか)と塩で漬けたもの。たくあん漬けが代表。
麹漬け米麹に塩を混ぜたものに漬け込む。三五八漬けやべったら漬けなど。
粕漬け酒粕に塩や砂糖をまぜて漬けたもの。ワサビを加えたワサビ漬け(奈良漬け)もこの中に入る。

これらは基本的には漬けておくと発酵します。

しかし、数時間や1日のみ漬ける場合は『浅漬け』『一夜漬け』と呼ばれます。この場合発酵はしていません。

長期間漬ける場合を『古漬け』と呼び、この場合は微生物によって発酵されています。


無発酵漬物

浅漬け(塩漬け)塩に漬けたもの全般ですが、発酵まで進めずに数時間か1日ほど漬けた段階で食べます。
酢漬け酢につけたもの全般。ラッキョウの甘酢漬けや千枚漬けなど。
醤油漬け醤油に漬けたもの全般。福神漬け、しば漬けなど。
梅干し梅を塩漬けにして天日干ししたもの。塩分濃度が高いので発酵はしていない。

塩漬けは、漬ける時間が短いと発酵していない『浅漬け』の状態です。

また、酢や醤油はこれ自体は発酵食品ですが、漬けた野菜は発酵しませんので無発酵です。

梅干しについては塩分濃度が高いので微生物による発酵が行われていません。『梅自体の酵母によって発酵する』という記述を見たことはありますが、その意味までは理解できていません(汗)。

見分け方

今回の記事で、自分で漬ける場合は発酵漬物か無発酵漬物か判断しやすくなったと思います。



見るべき点は

〇塩によって野菜を脱水しているか
〇野菜自体が発酵しているか
〇独特の甘酸っぱい匂いがするか
〇漬ける時間(期間)

などです。



購入する場合は注意が必要です。『一般的には発酵されているもの』が無発酵であることがあります。発酵食品風な漬物ですね。

発酵風であることを理解して買う分には良いですが、『発酵食品だから体に良い』と思って買っている場合は少し悲しい気持ちになりますよね。



本物の漬物は原材料が極めてシンプルで、『野菜、塩、麹』などのみですのでお気をつけください。


自分で漬ける生活を始めると、舌が肥えて味の違いも分かるようになるかもしれませんね。ぜひ漬物ライフを始めてみましょう。





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