『一』から『百』へ
ハンドレッドガーデンでは、『百姓(ひゃくしょう)』的なライフスタイルを掲げています。
百姓を一言で表すと、
『百の仕事を手掛ける人』
百姓という言葉は、百の姓(名字)を意味します。
かつて名字は職業を表していましたから、
『百の仕事ができる人々』
『多種多様な職能を持つ人々』
という意味を持ちます。
かつての地域社会では、住民それぞれが様々な仕事に取り組んでいました。
それぞれの職業に分かれつつも、生活の基盤として畑で野菜を育てながら、季節や状況にあわせて漁に出たり、縄を編んだり、布を織ったり。
個人が幅広く何でもこなせるので、お互いに支え合うことが出来ました。そのように暮らしが成り立っていたのです。
これは、『人』や『職』の壁を曖昧にして、ゆるく混ざり合いながら暮らしを創っていく日本的、アジア的なライフスタイルかもしれません。
百姓的なライフスタイルは、分業化・専門化が進んでいる現代日本とは少し視点の違う生き方です。
何故なら、現代では
『特定の分野については詳しい。だけど、他のことはよく知らない』
『だから、自分に出来ないことは全てお金を払って解決する』
という生活が一般的であるからです。
この生活様式は、仕事の効率が上がり経済が発展するというメリットがある一方で、
『お金が無ければ生きられない』
というデメリットもあります。
もしかしたら、ここに私たちが抱える不安が集約しているのかもしれません。
病気になる、怪我をする、仕事が無くなる、お金が無くなる
そうしたときに、生きるための糧がなくなってしまう。
『私の職業は〇〇で、それ以外はわからない』という『一』の自分から、『百』の自分へと可能性を広げてみましょう。
百姓的なライフスタイルは、そのような不安やリスクに対しての『創造的な解決策』になると私たちは考えています。
『わたし』から『わたしたち』へ
『問題』を意識したときこそ、創造的で新しい世界への扉が開かれます。
ハンドレッドガーデンでは、『農的』で『つながりのある』暮らしに取り組んでいます。
自然とのつながり
『農』とは、『暮らし(衣食住)』をつくるために、他の命(野菜や家畜、綿花など)を育てる生活です。
『他の命』とは、自然そのもの。
命を育てることで
『お金を払って衣食住を買う生活』から、
『衣食住に必要なものを自分で創る生活』
へシフトすることができます。
それは、自然とのつながりを持つことを意味します。
あらゆる自然。植物、虫や動物、山や海、空。
全て含めて『私たち』と呼べるようになれたら、こんなにステキな世界はありません。
人とのつながり
『百の仕事が出来る』というのは、
『一人で生きていけるようになる』ことではありません。
『一人では生きられないからこそ、幅広い知恵を身に着けて、お互いに助け合う』
これが、私たちにとってとても大切なことだと思っています。
例えば、かつては地域コミュニティ全体で取り組んでいた子育てや介護ですが、現代はお金を払うサービスで解決することが増えました。
便利にはなりましたが、人と人のつながりが益々希薄になっていきます。
お互いに手を貸したり、お裾分けをしたり、お金を介さないやり取りも立派な経済です。
これを『人間関係資本(ソーシャルキャピタル)』と呼びます。それは、社会にとってとても重要な資源なのです。
『自然』と同じくらい、人とのつながりを大切にしていきたいと私たちは願っています。
冒険しよう
私たちは、創造的でユニークな暮らしを目指して『ハンドレッドガーデン』を始めました。
名前の由来は、百姓の『ひゃく(ハンドレッド)』です。
ハンドレッドガーデンは、『様々な命を育てて、暮らしを創る冒険』をつづった記録であり、知恵や喜びを共有するコミュニティです。
あなたも、小さな一歩を踏み出してみましょう。
自分には何もないなんて、決して思わないでください。
普段の暮らしにフォーカスしてみると、私たちは実に多様なマルチプレーヤーです。
出来ていることはたくさんあるはずです。
その経験が、暮らしの知恵が、誰かの力になります。