フォレストガーデンは、『森のように自律的に成長する生態系を作り、その生態系システムによって植物を育てる方法』です。
パーマカルチャーの手法としても知られており、特に海外のガーデナーによって活発に取り組まれています。
一般的な畑とは違い、フォレストガーデンは樹木や野菜やハーブ、その他雑草と呼ばれるような多種多様な植物を混植・密植します。
今回の記事は【アイデア編】です。
ハンドレッドガーデンで実践しているアイデアをご紹介します。
これらのアイデアは、フォレストガーデンだけでなく普段の家庭菜園にも取り入れることができますので参考にしてみてください。
マメ科による天然肥料
マメ科は土に栄養を与えることで有名です。マメ科植物の根っこには『根粒菌』というものが共生していて、空気の中の窒素(N)を根粒菌からもらって成長しています。
余った窒素は土の中に放出されますので、土全体の栄養が良くなります。
クローバー草生
私たちのバックヤードガーデンではマメ科植物のクローバーを蒔いています。
天然の肥料になりますし、土を覆うことでマルチにもなります。土がクローバーで覆われていると土はいつもほどよく湿っています。
クローバーと野菜、特に葉物を共生させるにはコツと経験が必要です。しかし、経験的には虫や病気による野菜の被害がとても少なくなります。
地這い系マルチ
地を這うように進み、葉っぱを茂らせる植物はマルチとして活躍します。
代表的なのがイチゴです。イチゴは親株から細長い茎(ランナー)を出して、地面についたところで古株をつくります。
また、カボチャも地這いとして優秀です。ネイティブアメリカンの人々はトウモロコシと一緒にカボチャを植えて、マルチとして活用していました。
花の共生
私たちのガーデンではマリーゴールドを有益な花として野菜と一緒に植えています。マリーゴールドの匂いは虫を遠ざける効果があり、また根にはセンチュウを抑制する効果があります。
花があることでガーデンの風景が美しくなるという感情的なメリットもあります。
ハーブの共生
花と同様にハーブもコンパニオンプランツとして有名です。ハーブと野菜の混植は感覚的にとても良いです。ガーデンに華やかな香りが漂いますし、虫や病気の防除に役立つと言われています。
また、日本の野菜はほとんど一年草ですが、ハーブは多年草も多いです。多年草が増えるとガーデンの管理は楽になります。ぜひハーブを植えましょう。
雑草の共生
雑草をうまく活用することでガーデンの幅が広がります。例えば、食べられる雑草を残すこと。スベリヒユなどは食べられる野草で味も美味しいとして有名です。
また、雑草は草マルチとして活躍します。根ごと引き抜かずに根本をカットして土の上に敷きます。天然のマルチとして土の乾燥を防いだり、虫の住処になったり。また、根は土の中で分解され肥料に、根が通っていた場所は微小な空洞になって水や生き物の通り道になります。
粘土団子
粘土団子は、福岡正信さん(わら一本の革命)が提唱した種まきの方法です。いくつもの植物の種をミックスして土に混ぜ、団子状にして乾燥させたものです。
これを土の上に投げておくと、多様な種の中からその場の環境(場所とタイミング)に適した植物が発芽する、という仕組みです。発芽の瞬間は団子が『バキン』と割れて新芽が出てきます。まるで卵の殻を破って生まれてくるようで面白いです。
その場の環境に適したものだけが生まれてくるので、基本的に強く頑丈に育ってくれます。
粘土団子では通常では思いつかない場所や組み合わせで野菜が出てきます。こちらの写真はゴボウと春菊が一緒に発芽し共生しています。
写真では分かりませんが、この組み合わせは私たちが植えていたヒマワリの根もの付近に集中する傾向があります。理由は分かりませんが、何か神秘的なものを感じます。